インターネットに詳しくないと「クラウド」と聞いても何のことかわかりませんでした。クラウドとは言い換えればインターネット上に情報を保存していく、インターネットサービスを示します。自宅だけでなく会社やネットカフェ、移動車内からでも、クラウド経由で保存したデータを引き出し、編集などを可能とします。
クラウドはネット経由で使える業務ソフト「SaaS」、ネット経由で開発を行う「PaaS」、仮想化技術のインフラ「HaaS」の三つが存在します。クラウドというのは最近のネット用語ですが、この言葉が使われる前から既にあった機能も、クラウドに含まれています。
たとえばグーグルが提供しているGmailを使用していますが、これもネット上に保管されていて、外出先からアクセスできるクラウド型システムになっています。昔からあるグーグルの翻訳機能もクラウド型の仕組みで運営されています。今頃になってわざわざクラウドと言い始めたのは、ネット上にデータをセーブし仕事をする行動を、一言で単純に表すためです。
クラウドを導入していくと、様々な特典がありインターネットの役割も拡大します。自宅のパソコンや携帯に記録を残さないことで機器のメモリが増えず、動作環境が軽くなるのです。
自前でデータを保存するためのHDDを買うと、相応にお金が必要になりますが、クラウドならばネット環境さえあれば良いのです。年賀状を作るときは高価なソフトを買う必要があったのが、クラウドなら安価に済ませることができます。会社がデータ管理を行うには、自前でサーバやソフトを用意せざるを得なかったのが、クラウドにするとコストカットになります。
だがクラウドの問題点も指摘されています。
セキュリティー面では、ネットを通じて情報を保存するために、情報が盗まれる危険性が発生します。公開されているクラウドサービスを、自らが使いやすいようにカスタマイズすることは、なかなかできないところもあります。クラウド提供の会社のサーバーが何らかの理由で障害がでた場合、保存したデータが消失する場合もあります。こうしたクラウドの良い点やリスクを把握した上で、うまく使っていくべきでしょう。